2023/06/05 13:23


珈琲の焙煎度について


珈琲で、よく浅煎り、深煎り…なんて言われるのが焙煎度と呼ばれるものです。


焙煎度の測定にはアグトロン値という色の上での判別や 焙煎前後の豆の質量差から割り出された焙煎指数を目安にします。当店の焙煎度合いの表現は馴染み深い日本式とアメリカ式の両方を用いています。


●浅煎り=ライトロースト~シナモンロースト:当店のロゴマークくらいの薄茶色。酸味が強く苦味はありませんが、麦などの穀物のような風味があります。コーヒーらしさはあまり感じられません。


●中煎り=ミディアムロースト~ハイロースト:いわゆる茶色。豆を焙煎すると1ハゼ2ハゼという現象が起き豆が膨らむのですが、これは1ハゼ直後からの状態です。フルーティーな酸味や穀物やクッキーのような香ばしさ、ほのかな甘さを感じられます。昨今の雑味の少ないスペシャルティコーヒーを味わうのに人気の焙煎度合いですが、苦味やボディは弱くあっさりした印象です。


●中深煎り=シティロースト:焦げ茶色。1ハゼ後から2ハゼの入り始めで程よい酸味としっかりした香ばしさやコク、心地よい苦味を感じられ、バランスのとれた珈琲らしい味わいになります。最も一般的な焙煎度合いと言えるでしょう。


●深煎り=フルシティロースト:焦げ茶色と黒の中間。2ハゼ直後で豆からうっすら油が浮いて来る頃です。焦がしてしまわぬよう焙煎にも細心の注意が必要となります。酸味は微かになり、ジンとくる深い苦味と飲みごたえがあり豆によってはバターのような香りや甘さも出て来ます。品種によって苦味が強くなりすぎ深煎りに向かない豆もあります。


●極深煎り=フレンチロースト:ほぼ黒く、油が浮いてテカテカに輝きます。焦がさぬよう焙煎を進めるには技術が必要です。2割以上質量も減るので焙煎に耐えられない豆がほとんどですが、マンデリンや大粒のブルボン種などが向いています。苦味を味わう焙煎ですが、ミルクや砂糖をたっぷり入れたり、コッテリしたスイーツに合わせたりアイスコーヒーやエスプレッソで味わうのにも向いています。


最後に…当店の焙煎度はその豆のポテンシャルが最も発揮される…店主がいちばん美味しいと思う焙煎度で味造りしているのでどの銘柄も「好みの焙煎度で」という対応はしておりません。


珈琲のもつポテンシャルと美味しさを、共感・共有させていただけるのがいちばんの喜びです。